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原住民マオリの首、故郷に帰れず

フランス北部に位置するルーアン市がルーアン自然史博物館( Museum d'histoire naturelle de Rouen )に保管してあったマオリ族戦士の首をニュージーランドに返還しようとしたところ、「事前に相談がなかった。」としてフランス政府が行政訴訟を起こしました。

同博物館は今月24日、在仏ニュージーランド大使館と返還協定を締結しました。これに対し、アルバネル文化相がの返還停止を求める訴訟を起こし、裁判所がこれを認めたため協定締結の前日に返還停止が命ぜられました。そのため返還協定は締結されたにも関わらず、マオリの首は故郷に帰ることなくフランスにとどまることになりました。

1828年にルーアン出身の博物学者が創設したルーアン自然史博物館は顔の表面に刺青が施されたマオリ族戦士ミイラの首は、1996年まで一般向けに展示していました。1996年から工事のため閉館していましたが、2007年2月に再オープンしました。再オープンをきっかけにルーアン市は「異文化と人間の尊厳への敬意を示すべきだ」(アルベルティーニ市長)、「忌むべき前世紀の密売史を閉じるべきだ」(同博物館館長)とニュージーランド側の呼びかけに応え返還を決めましたが、残念ながら政府に止められた格好です。

同博物館によると、西欧では19世紀に刺青入りの首が装飾品として人気を呼び、中には輸出するため、頭部に入れ墨を彫られ殺害された例もあるそうです。ニュージーランドの移民はもともとヨーロッパ系が多く、ヨーロッパに現存するミイラにはそのような過去があるかもしれません。

フランス文化省の顧問弁護士は今後、ルーブル美術館のミイラなどにも返還の動きが波及しかねないと警戒しており、マオリの首数点を所蔵するパリのケ・ブランリー( Museedu quai Branly )博物館も返還には後ろ向きだそうです。

1992年にニュージーランド政府が遺体の尊厳を守りたいと各国に返還を呼びかけ、数カ国が応じましたがフランスにも是非応じて欲しいものですね。

配信/最終更新 :
2007年10月29日 13時15分
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